スーツの形 ③
イメージコンサルタントの森内真希です。
夜になるとまだまだ寒く「花冷え」という言葉がぴったりの時期です。
スプリングコートが一枚あると重宝しますね。
さて、スーツの形の最終回の今日は、イタリアンスーツです!
イタリアンと言っても、ミラノ・フィレツェ・ローマ・ナポリではそれぞれ趣が異なるように、ひとくくりにして説明できないのがこのイタリアンスーツなのです。
ブリティッシュスーツとの違いは、身分や階級を表すためのかっちりしたブリティッシュに比べ、ラテンの陽気な気候のイタリアンは、モテるための色気のあるスーツと言えるかもしれません。基本はイギリス、そこにフランスのファッション性が加わった新しいスーツのスタイルなのです。
日本人は一般的に小柄でなで肩の体形のため、比較的イタリアンスタイルが似合う傾向にあると言われています。
(MEN’S EX5月号にも「クラシコイタリア最前線」として
詳しくイタリアスーツについて書かれてありますよ♪ご参考まで)
【特徴】
柔らかな仕立てと曲線の美しさにこだわるメリハリライン。
肩を包み込むショルダーラインとやや絞り込まれたウエストラインが特徴。
肌に吸い付くようなフィット感とドレープ感で男性のセクシーさやエレガントさをアピール。
遊び心のあり、ボタンやポケットなどにもこだわりがある。
北イタリア、ミラノのスーツはマシンメイドの大量生産で、イギリスに近いかっちりした印象。
南イタリア、ナポリのスーツはオーダーメイド(ス・ミズーラ)で、サルトと呼ばれる仕立て屋が手仕事で丁寧に仕上げるため、柔らかな作り。
【ディテール】
◇肩と接合する部分の袖にシャツの袖付けのようにギャザーが入っている。雨ふらし袖ともいう。
◇バルカポケット。胸のポケットの形が胸に沿うように小舟の底のようにカーブしている。
◇キッスボタン。袖のボタンを敢えて重ねて付ける。
◇本切羽。袖のボタンが開閉できる。
◇着丈が長め。ヒップラインを強調するため。
【着こなしポイント】
イタリアンスーツのシャツはボタンダウンではない方が絶対にカッコイイです。襟はワイドスプレッドやホリゾンタルの広めがお勧め。
タイもイタリアのブランドをチョイスすれば統一感が出ます。(タイユアタイ・フランコバッシ・ルイジボレッリなど)
色鮮やかなプリントの小紋タイなどはイタリアらしいと思います。それにイタリアンメイドの靴を合わせたら完璧ですが・・
TPOが許せば、チェックのシャツやニットタイ、小花柄の小紋タイもお勧めです。自由な発想で、自分らしさをアピールする着こなしはイタリアンスーツならでは。
しかし、あくまでもTPOをわきまえて楽しんでくださいね。